メニエール病の診断基準


アメリカ耳鼻咽喉科学会のメニエール病診断基準について

メニエール病は前庭障害の中で最も高頻度に見られるわけではないが最もよく知られている疾患である。
アメリカ耳鼻咽喉科学会の診断基準1995年では前庭メニエールや、蝸牛メニエール、メニエール症候群という単語はすでに無く以下のような分類をしている。

1 possible メニエール (見込み例)聴力障害を伴わない回転性めまいおよび回転性めまいを伴わない聴力障害と平衡障害

2 probable メニエール (疑い例) 聴力検査による聴覚障害と耳鳴りまたは耳閉感と単発のめまい発作

3 definite メニエール(確実例)20分以上続く回転性めまい発作が2回以上、少なくとも一度は聴力検査による聴覚障害が確認されていること、患耳の耳鳴りまたは耳閉感

4 certain メニエール(確認例) definiteメニエール病症例で死後内リンパ水腫が確認されたもの

訳は1996年のJOHNSを参考にしました。



AAOHNS1995
メニエール病のステージ分類
stage 1 <=25dB
stage2 26-40
stage3 41-70
stage4 >70
治療前6ヶ月間の最悪聴力時の0.5,1,2,3KhZの平均聴力を用いる。
この聴力が治療前の聴力として治療の効果を判定する際にも用いられる。
functional level scale
1回のめまいについてではなく最近の全体的な機能について最も近いものを選ぶ。
1 私のめまいは私の日常生活には影響していない。
2 めまいがある時にはしていることをやめなければならないがすぐにそれは終わり動作を再開することが可能である。仕事や運転が出来、制限無くいろいろな活動を行うことが出来る。めまいによって予定や活動を変更したことはない。
3 めまいがある時にはしていることをやめなければならないがすぐにそれは終わり動作を再開することが可能である。仕事や運転が出来、制限無くいろいろな活動を行うことが出来る。しかしめまいによって予定を変更しなければならなかったりめまいを考慮に入れなければならない。
4 仕事や運転、旅行や家族の面倒を見ることなどはできるしほとんどの重要な活動は可能である。それをするのに大変な努力が必要である。常に活動のことを調整し私のエネルギーをうまく配分しなければならない。何とかこれらのことが出来ている。
5 仕事や運転、家族の面倒を見ることが出来ない。以前出来ていたほとんどのことが出来ない。基本的な活動さえ制限されている。私は障害者だ。
6 1年以上にわたり障害がありめまいや平衡障害のために給付金をもらっている。
治療の効果判定
X/Y*100
X=治療後18-24ヶ月の6ヶ月間のめまい発作の月当たりの回数
Y=治療前6ヶ月間の月あたりのめまい発作の回数
数値 class
0 A (完全なめまい発作のコントロール)
1−40  B
41−80  C
81−120 D
120以上 E
めまいによる障害のために次の治療を開始した F
データの例 ベースライン 2年 4年
患者 治療 stage 年齢性別 FV HT WR FL FV HT WR FL FV HT WR FL
1 Q 3 45M 1.2 45 80 4 0 40 85 1 0.5 55 70 1
2 R 2 4 27 96 4 0.2 10 100 2 0.8 45 80 5
FV めまい発作の回数。その前6ヶ月間の月ごとのめまい発作の回数
HT 聴力(4週数平均の最悪時)
WR 語音明瞭度%
FL functional level (1-6)





めまい


めまいは様々な原因でおこります。

その原因によって緊急性を要するものと要さないものに大別できます。

何科の医師に診察してもらうかという点は非常に重要なポイントです。





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